実をとるか満足度をとるか

こんにちは、石嶌之広です。

先月の中旬ごろ、家の小庭に、ナス、プチトマト、オグラの苗を植えました。

順調に育っているといいたいところですが、それぞれに問題を持っています。

本を読みながら「完璧」と思う環境にしようとしているのですが、なかなか難しいものです。

少しでも成長して欲しいので、毎朝チェックして手入れしています。

今回は、「実をとるか満足度をとるか」についてです。

メールマガジンでは、中学生の勉強に関するお話しを
していますが、今回は学習塾について触れてみようと思います。

こういうテーマは、とても大切ですが、危険もたくさん
ありますのであまり触れないほうが良いかもしれません。
それでもわずかに取り上げてみようと思います。

できるだけ短くしますが、最小限のお話をしても長くなります。

お許しください。

学習塾経営をやっているととても悩むことがあります。

それは、「実をとるか満足度をとるか」ということです。

これは、学ぶ生徒と保護者にとっての「実」と「満足度」です。

どちらかというと保護者にとっての「満足度」かもしれません。

こういうことをまったく気にしない経営をしているように
見える塾も多々ありますが、常に気遣いしている塾経営者
もいます。

私たちはどのような学習の仕方が、生徒にとって望ましいか
常に考えています。

これから、以前、2対1個別をしていたころのお話をしていきます。

「成績が上がらないので塾をやめて家庭教師にします」

というケースがあることに注目して、家庭教師なら成績が上がるタイプ
の生徒があるのだろうか検証してみたことがあります。

2対1個別と家庭教師の違いはなんだろうかというところです。

家庭教師会社のシステム、家庭教師にふさわしい講師素養と講師研修過程
を研究、監督所で法的適合性を確認、実際に家庭教師学習の提供をはじめました。

研究と検証が目的ですので採算は度外視。
専門家庭教師会社では、やりたくてもできない環境形成をしていきます。

例えば、非常に能力が高い、家庭教師を専門にしている方(私の知り合い)
を、その方の通常の時間単価以上をお支払いして協力していただきます。

また事前に2対1個別での実務と研修を2か月以上行った、指導能力が一定以上ある
アルバイト学生をプロ家庭教師と同じ単価で責任を持って協力していただく。

検証を容易にするため、一部地域限定として広告費もずいぶんとかけました。

学習システムや講師能力以外にも生徒タイプや価格帯による利用者変動
なども確認していきます。

推移と結果検証が大切ですので、ご利用者すべて、ご家族との面談と
生徒を交えた三者面談そして、学習状況確認と進行アドバイスは、
月に1回以上行いました。

2年間行ったこの活動で色々なことが分かってきました。

長くなりますので、明確になった結果だけをお話しします。

・成績と実力及び入試に関して

成績は上がるケースと上がらないケースがある。

入試に関しては、受験校選択は2対1個別の時と同じように
対応し受験校はすべて合格。

個別の状況にもよるが、多くの場合は2対1個別同等である。

実力に関しても同じことが言える。

・満足度に対して

ご家族の満足度は、とても高い。

数値では表せないけれど、とても満足度は高い。

すべての方が入試後も継続して3月いっぱいまでご利用。

という状況でした。

費用の違いによる好感度はどうなのか、ご家庭の様子や
生徒タイプによる違いはどうなのか。

どのくらいの数でどのくらいの利用期間で検証したのか

具体的詳細はお話しできませんが、たまたまこうなったという

ことかもしれません。

ここで理解した家庭教師の傾向というのは、家庭教師会社を
運営している方々には、よくわかっていることだと思います。
私が理解したのは、きっとその一部だと思います。

すべて卒業までご利用いただきご満足していただいていました
ので、私はうまく運営できたケースばかりを経験したのかも
しれません。

さて今回のメインです。

満足度が高いというとこれは、ご利用者にとってです。
もう少し特定すると、保護者の方にとってです。

実は、私にとっては不満足だったケースを沢山経験して
しまいました。

保護者の方は、満足。

でも私は、不満足。

生徒は、受験校に合格して、いわゆる志望校に進学。

ご家族と本人は満足ですが、私に残ったのは、満足ではなく不満足なんです。

これは何かというと、生徒の伸びです。

毎月、学習状況を現場でみることで、生徒の特性や能力を
知ることができます。

講師が解説する内容と、生徒の反応そして問題解き・・・。

客観的にしっかり見ることができる。そして毎月進捗を確認できる。

この子なら・・・。

それが達成できなかった。

それでもいいのか。

そういう問いが経営者としてあるかないか、

それが「実をとるか満足度をとるか」です。

この検証の後、すぐに家庭教師企画はやめました。

虚実一体

ご利用者の満足に対しての「実」が本物でなくてはなりません。

そして、再び学習方法に悩み始め、

「もう塾をやめよう」

と考え始めます。

その時、ある学習方法を知り、静岡から東北に教えを請いに行きます。

そして塾の継続を決め、2対1個別の象徴であったパーティションを取払い

現在の学習方法になっています。

学習塾を経営する方々はマンツーマン個別にしたり、
タブレット学習を導入したり、色々と工夫します。

「実をとるか満足度をとるか」

悩んでいる方も多いのではと思います。

今回は以上です。