壁を超える経験
今回は、頭の中にでてきた独り言をブログに書くことにします。
私は学習塾を仕事としてやっています、そのため年がら年中、勉強関係のことを頭の中で考えています。いわゆる「勉強バカ」だと自分で思っています。
かれこれそれが18年という感じです。
そんな頭の中で考えている独り言を、いつもはメルマガで気まぐれに配信していますが、今回はブログに書いてみることにしました。
壁を超える経験
ふくろうの森は2004年に小中学生の個別学習塾としてスタートしました。
学習塾として小中学生の勉強活動をしながら思ったことのひとつに、入塾して勉強を始めた生徒達がその時点ですでに持っている能力は、それから先の数年間、短期的には数か月の学びでどのくらい伸びるのかに大きな影響を与えます。
学習塾に入塾するのは、およそある程度の高学年になってからということが多いのですが、「その時点ですでに確立されている能力がある」そしてすくなからず、その能力がずっと先まで影響していくという現実があるということです。
そこで、自分の運営する教室で小学校に入る前や小学校低学年時の学習環境で何かできないのだろうかと考えるようになりました。
最初に行ったのが、通常学習カリキュラムの早期教育です。いわゆる飛び級教育です。
これは、大手のチェーン塾でも行っていることです。
普段は、スポーツ活動や習い事、時には遊びに一生懸命な子も夏休み企画などで時間を確保することですぐに実現できました。
その活動にある程度は満足はしたのですが、気になることがありました。
それは、掛け算です。
小学校1年生2年生で、まだ掛け算をやっていないと、そこから先には進めることができません。
掛け算がない課題を選んでいくしかありません。
そこで、保護者の方に了承を得て、学校ではまだ掛け算をやっていない生徒には、学校でやるように「声を出して九九を読んで覚える」という方法で早期学習を行いました。
夏休みに時間をしっかり使って取り組みしましたが、結果的には、あまりうまくいかないという感想を持たざるを得ませんでした。
学校は何故、この段階で掛け算なのか。おそらく「このタイミングが適している」ことが子供たちの発達傾向をしっかり研究したうえで組まれたものであるということを実証したに過ぎなかったのではと思わざるを得ない結果でした。
では、他には方法がないのだろうか。掛け算だけでなく、できれば就学前からできることはないだろうかと考え続ける中、よくある平面や立体のパズル物を取り入れたこともあります。
それらはいずれも何かしらの良さがありましたが、学習の基礎に根付き「限りある時間」を有効にしていくカリキュラムにしていくことは難しく思いました。
極端に言えば、スポットでは有効だけれども長期ではやらないよりやったほうが良いくらいという印象です。
またかなりの教室展開をしている有名なものですが「その訓練」を行うことで「ある能力が身につく」という特殊なものがありました。確かにその力が付くことで「能力が向上した」と実感できるものですが、求めているものとは違う能力だったこともあります。
とても高額なカリキュラムですがどちらかといえば、やらない方がいいと言えるものです。いま、教室に通う生徒がその学習をしようとするのであれば「やるな」とはっきり言います。
そんなことを考えているときに、隣町で塾をやってる友人の塾長からの情報で「そろばんいいよ」と言われました。
そろばん?
さっそく、そろばんを見に行くことにしました。
感想は「絶対いい」
そろばんには、たくさんの良さがあります。
沢山ありすぎのため、全部説明するは無理ムリというくらいあります。
塾運営の面からでひとつあげると「しっかりした学習カリキュラム」があること。
練りに練られた級別段別のすばらしいカリキュラム。叫びたくなるほど美しいものです。
もちろん、どの学習カリキュラムでも学習指導要領同様にいくらでも検討されるところがあるものですが、全体構成が本当にしっかりしている、このような優れたものが、大昔からずっとあった、しかもすぐ目の前にあった。
すぐに飛びつきました。
そろばんは、本当に面白いです。
学習する側も指導する側も運営する側も。
ようやくここで今回の本題に入ります。
そろばんの良いところの一つ。
それは「壁を超える経験ができること」
壁というのは、次の世界への入り口でもあります。
生徒によって様々ですが、そろばんは、少しずつ難易度が上がっていくため、誰もがどこかで必ず壁にぶつかります。
就学前の生徒であれば、ほんの序の口でぶつかることもあります。
6級の壁といって、とても多くの子がぶつかる壁もあります。
その子、その子に合った、壁が必ずやってくる、そして必ずそれは乗り越えられる壁です。
そんな壁を超える経験が、たくさんできる。
辛かったり、やる気がなくなったり、悲しかったり、嬉しかったり、そんなことも忘れてなんでもなくなったり。
その子のその経験は、保護者も指導者も一緒になって経験できる。
とっても心配になったり、あれこれ工夫したり、ちょっとワクワクしたり、あれっ?あんた昨日まで・・・なんなのさと思ったり。
それが、そろばんの良いところの一つです。
そんな「壁を超える経験」ができるのは、そろばんだけではありません。
しっかりした学習カリキュラムがあるものであれば、同じようなことができます。
そんな学習カリキュラムが、もうひとつ目の前にあります。しかも「どん」と大きく。
それが、学校の勉強。
楽しいです学校の勉強。
覚えられないようとか、わかんないようとか、部活後で眠くて眠くてとか、ジタバタしている生徒を見ていると楽しくて仕方がない・・・。つい笑ってしまいます。すみません。
音が楽しいのが音楽ならば、学習塾は楽習塾ですね。
これからも、そろばんや学校の勉強を子供たちにどんどんおすすめしていこうと思います。